なんとかかんとか形になったピザ窯でピザを焼くのですが、せっかくそれなりの時間とそれなりのお金をかけて、それなりのピザ窯をこしらえたのだから、それなりに美味しいピザを焼きたい。
というわけでまずはピザ生地の作り方から。
そーが作りたいのは”ナポリピッツァ”。コルニチョーネと呼ばれるぷっくりと膨らんだフチが外はカリッと中はふっくらモチっとしているピザ。
ピッツァの美味しさの半分、いや8割は生地にかかっていると言ってもいいと思う。
ピザ窯の作り方はこちらに書いています。
https://itiho.com/pizzagama/
目次
ピザ生地の材料
[材料]
【200gの生地4枚分】
00粉 430g
スーパーカメリア 70g
塩(ゲランド) 15g
生イースト 1g
水 300cc
(オリーブオイル 40~50cc)
00粉はゼロゼロコと僕は呼んでいます。イタリアの粉は精製の度合いによって、数字で小麦粉が分類されています。日本のように薄力、強力といった分け方ではないんです。
とりあえず、ピザの生地には00粉を使います。イタリアの粉は風味もあって美味しいです。おそらくその辺のスーパーにはなかなか売っていないものだと思いますので、ネットで注文。
カプート社のサッコロッソ
00粉にスーパーカメリアを少し加えて、コシをだします。パン作りで残っていた粉です。スーパーカメリアはスーパーな強力粉です。
塩はゲランドの塩を使いました。わざわざゲランドの塩を買うこともないと思いますが、いわゆる”食塩”は避けて、美味しい塩を使うほうが、それなりに美味しいピザに近づくんじゃなかろーかと。
ちなみにゲランドの塩を使われる場合はセルファン(細かい塩)を選んでください。グロセルはツブツブお塩です。
イーストは天然酵母をおこすか、生イーストにするか、ドライイーストにするか迷ったのですが、生イーストにしました。
なかなか少量では買えない生イーストですが、100gに小分けしたものがあったので、それを注文。ま、100gでも上の分量で100回分なんですけど、、、残りはパンに使うことにしよう。
生イーストの中身はこんな感じです。
匂いはしますが、焼くとドライよりイースト臭が少ないと思います。
生イーストは、多少発酵力が落ちるかもしれませんが、使うグラムに量ってラップで包んで冷凍できます。
水は、うちにあったペットボトルの水です。
オリーブオイルは、生地に入れないのが本格的なナポリピッツァらしいです。今回は一回目は入れずに、二回目は入れて作ってみました。
オリーブオイルを入れたほうが、全体的にサクサク感は出るような感じがします。ピザ窯の温度を高温(400度くらい)に上げられないなら、オリーブオイルを入れたほうがいいかもしれません。
石窯で焼くピザ生地の作り方
ピザ生地を発酵させるのに、常温(25℃)で7〜8時間掛ります。
朝6時からピザ生地作り始めて7時から発酵に入ったとして、焼けるようになるのが午後2時とか3時とか。
それはキビシイ。。。
ので、4時間常温で発酵させた後、冷蔵庫に入れて一晩休ませて、当日の焼く2時間前に常温に出して生地をもどす。という方法にすることにします。
ピザ生地を作り始める前の準備として、粉と水を冷蔵庫でよく冷やしておきます。そうすることで、質の良いグルテンができます。
生イーストを計量するのですが、うちの秤はとっても優秀で1gがなかなかちゃんと量れません。なので、生イーストを10g計量して、10等分(だいたい)することにしました。
大きめのボールに00粉とスーパーカメリアと塩を入れてよく混ぜ合わせておきます。
冷水を300量ったところに、生イーストを入れて、溶かしておきます。
粉の真ん中をくぼませて
そこに生イーストを溶かした冷水を注いでいきます。
生イーストが容器に残らないように気をつけて入れます。
オリーブオイルを入れる場合はこの時点で水と一緒に粉に入れます。
これを内側からグルグルと崩すようにして粉と水を混ぜ合わせていきます。
最初はドロッとした感じですが、水分が粉にある程度合わさると
こんな感じにまとまります。
これを手の平の手首に近い部分でグイグイ押し込んでは、生地を起こしながら捏ねていきます。
結構大変です。ピザの本とかに20分以上よく捏ねる、と書いてありますが、僕は30分以上掛かりました。
時間より、生地の状態を見るのがいいと思います。
これホントに、大変です。何度も時計見ちゃいます。えっ!まだ5分?
10分捏ねた状態。
計20分捏ねた状態。
おいおい、10分前とぜんぜん変わってないじゃないか。
さらに15分、最初の20分より激しくいつもより多めに捏ねまして、
計35分捏ねた状態。
ようやく生地の表面がツルっとなりました。こうなったら捏ね終わりです。
ラップをしてちょっと置いておきます。
すぐ切ってもいいんですけど、ちょっと休ませたほうが、切ったり丸めたりしやすいので。
その間に手を洗ったり、タッパーを用意したりしました。
10分位休ませたら4等分して、
だいたい200gずつに分けて、
クルクルと丸くして、
タッパーに隙間に余裕を持たせて入れます。
蓋をして、
常温で4時間放置。
4時間後はこんな感じです。かなり生地がリラックスしています。これを蓋をして冷蔵庫に入れておきます。
当日の約2時間前に常温に戻しておきます。
ピザのトッピングの用意
今回はとりあえずピザ生地重視なので、シンプルにトマトソースと、モッツァレラ、パルミジャーノ、オリーブオイルという感じにしました。
トマトソース
トマトソースはソルレオーネというメーカーのカットトマトを潰して使いました。
これを漉して、
1%の塩を加えて、
完成。のはずだったんですが、思った以上にカットトマトが水っぽかったのでちょっと火を入れて水分を飛ばしました。
ドロッとした濃度のあるトマトホール缶なら、火にかけなくても大丈夫だと思います。
お好みでもちろん濾さなくてもいいと思います。
モッツァレラチーズ
モッツァレラチーズというと、白くて丸くて水分と一緒に入っているのを思い浮かべるかもしれませんが、今回、僕が使ったのはドイツモッツァレラと呼ばれるステッペンチーズです。
モッツァレラと同じ製法で作られて、水分を抜いた”カチョカヴァロ”のような状態のチーズですが、お値段も高くなく、ピザにガンガン使うのにとても向いています。
いわゆるモッツァレラを使う場合はしっかりと水気を切っておかないと、ビチャビチャになってしまいます。
パルミジャーノ
パルミジャーノ・レッジャーノです。今回は塊のものを買って、おろしながら使いましたが、粉になっているものもあります。
アメリカのパルメザンではなくて、イタリアのパルミジャーノです。
オリーブオイル
家にあったエクストラバージンのオリーブオイルです。好みのオリーブオイルがあればなお楽しいかもしれません。オイルは何はともあれ鮮度なので、高くなくても新しい物を使うと体にもいいかも。
ピザを伸ばしてトッピングをのせる
いよいよ、ピザ生地を伸ばして、トッピングをします。
ピザ生地は2時間前に常温に戻しておきます。感じとしては、窯に火を入れる1時間前に出しておく感じです。
ピザ生地です。
上の2個入っている生地が1日寝かせた生地です。下のは2日寝かせた生地です。リラックスを通り越してだらけきっています。
結果としては2日寝かせた生地のほうが、よりグルテンが落ち着いているので伸ばしやすくて、イーストの匂いも少ない感じでした。
と言っても一日寝かせたほうが、扱いづらいとか、イースト臭がきついということではありません。比べると、ということです。
ピザ生地を伸ばす始める前に、トッピングたちをすぐ使えるように準備しときます。
窯の温度が上がった所で、ピザ生地を伸ばし始めます。
タッパーからカードやフライ返しを使って、なるべく潰さないようにして生地を取り出します。
ピザ生地を伸ばす台に打ち粉を一握り出しておいてその上に置きます。
両面に粉をまぶしたら、
生地を回しながら、フチを残すようにして空中である程度の大きさになるまで伸ばしていきます。
ある程度伸ばしたら、回しながら生地のフチに指を引っ掛けるようにして引っ張って、伸ばしていきます。
両手が生地に入るくらいのサイズになったら、
フチを潰さないように、両手を前後にずらすようにして、回しながら生地を伸ばしていきます。
上手な人ならもっとキレイに大きくできるのかもしれないけれど、だいたい200gの生地で25㎝くらいの径になりました。
ここでトッピングをしてもいいんですけど、パーラーにのっけておいたほうが、失敗が少ないと思います。
パーラーに粉をしっかりとして、伸ばしたピザ生地をのせます。
ここにトマトソースを塗っていきます。
フチを残すようにして、トマトソースを急いで塗り広げて、
チーズも素早く乗せます。
パルミジャーノをカリカリ削って、
オリーブオイルを全体にうっすら回しかけます。
なんで急ぐのかといいますと、この状態で、パーラーの上でピザが動かないといけません。
トマトソースを塗った瞬間から、ピザ生地が湿ってきてパーラーにくっついてきてしまうのです。
パーラーを前後に揺すって、パーラーの上でピザ生地が滑る状態じゃないと、ピザ窯にシャッと入れられません。
もしくっついてしまったら、生地の端っこを強引に持ち上げて、生地の下に打ち粉を多めに投げ入れて、パーラーを揺すってみてください。ダメならもう一度打ち粉をします。
という感じで、僕はピザ生地を作って、トッピングを用意しました。生地を作ったりするのは、まあ本職に近い作業なので順調でした。
あとはこのピザを焼くだけです。これが、、、一筋縄では。。。
⇒自作ピザ窯でナポリピッツァを焼くへつづく。
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いち歩そー様のブログを読まして頂いています。最近2層式のピザ釜を作り、ここ1か月ほど毎週貴殿のレサピーに可能な限り忠実に生地を作りピザ焼きに挑戦している者です。幾つかご教示頂きたく連絡差し上げる次第です。
質問1:実際400~450℃辺りで焼き床で直焼きで約1~2分焼いたとき表面はほぼ狐色になり良い様に思うのですが、生地の裏が焦げて苦くなり、美味しくありません。焼く温度からするとこのような問題はどなたでも起こるように思うのですが、何が問題なのでしょうか?
質問2:貴殿のブログの35分練ったときの写真では表面がかなりすべすべになっておりますが、小生の場合は35分気合を入れて捏ねたときでも貴殿の写真の20分と35分練ったときの中間程度の出来上がり具合です。一番最初に作ったとき、塩辛いと感じたので以後は15gのところ7.5gの塩でやっています(これ以外は同じ)が、これが原因ではないのかと家内とも想像していますが、関係ありますでしょうか?
質問3:生地を捏ねた後、約4時間発酵、終夜冷蔵保存、翌日焼く3時間ほど前に出して追加発酵をさせています。そうすると、生地がだらーんとタッパーの中で伸びており、お互い同士とタッパーの淵に引っ付いており、取り出すときはヘラでこさぎながら出しますので発酵前の半円形の形からはほど遠く貴殿の写真の様にはなりません。これも、塩の量と関係しているのかもしれないと思っているのですがいかがでしょうか?
質問4:何はともあれ、皆さんが言っているような、外がパリッ、中がサクサクと言う様な焼き上がりにならず、表面は多少パリッとしているようですが中はモチモチ感があり、食感が重い様に思います(直に焼くと底裏が焦げるのでトレイで3分、約400℃で焼いた場合ですが)。これは焼き方が問題なのでしょうか。本物のナポリピッザを食べたことが無いので、近いうちに店に行ってみようと思っていますが、折角窯を作ったので自分で出来るようになりたいと考えております。
以上、文章では上手く伝わらないかもしれませんが、解る範囲で結構ですのでご教示賜れば誠に有難いと思っております。何卒宜しくお願い申し上げます。
ロードランナーさん、こんにちは。はじめまして。
2層式のピザ窯を作られ、そーのピザ生地も参考にしてくださり、ありがとうございます。
頂いたご質問に、僕なりの回答をさせていただきたいと思います。ただ、細かいところまで状況が分からないのと、僕もそれほど経験があるわけではないので、想像での答えになってしまうところもありますがご了承ください。
質問1 ピザ窯の温度ですが、プロが使っている一槽式のドーム型のピザ窯では、直接焼き床が熱せられているのではないので400℃〜450℃で焼いても、下面がそれほど焦げないのではないかと思われます。下から焼き床をガンガン熱くする二槽式のピザ窯の場合は、空間の温度と比べても焼き床が高温になっているかもしれません。僕の感覚ですと、350℃〜400℃くらいがいいのではないかと思われます。
質問2 小麦粉を捏ねるのは、小麦粉のグルテンを形成するためです。グルテンはゴムのように伸びる性質があるので、発酵の時の膨らみを受け止めて生地にしっかりと空気を含み、伸ばすときもしなやかに伸びるようになります。塩はグルテンをよりしっかりとしたものにする働きがあります。ので、ある程度の量は必要だと思われます。僕はゲランドの塩というミネラルを多く含む塩をこの時は使いました。塩は物によってミネラルの含有量が違い、同じグラムでもしょっぱさがかなり違うことがあります。
また、こねる時間は、こね方によってかなり違ってきます。生地の状態を優先して、ツルッとなるまでしっかりとこねます。ツルッとなる⇒しっかりとグルテンが形成されたということになります。
質問3 生地は追加発酵をさせる必要はありません。冷蔵庫で寝かせている間も、ゆっくりと低温発酵しています。ので、当日は生地が室温に戻るくらいの時間出しておくといいと思います。(ブログには1時間と書いていますが、これからの時季はやや短め)それから、ヘラや手に粉をはたいて取ると取り出しやすいです。生地に直接粉をまぶしてもいいです。
質問4 ”表面は多少パリッとしているようですが中はモチモチ感があり”は、、、、それが正解だと思います。ナポリピッツァの特徴はまさにそれです。外はカリッと中はフワッとモチモチです。モチモチが気になるようでしたら、フチの所をやや潰すようにして薄くすると、カリカリのフチになると思います。
といった感じです。多少でもご参考になれば幸いです。
コメントありがとうございました。
いち歩・そー様、
早速のご回答有難うございました。いちいちごもっともなご指摘参考になります。今週末は、生地作りにおいては貴殿の注意点を元に捏ねてみたいと思います。生地は窯が適温になる約1時間前に室温に戻して、窯の温度を350~400℃で焼いてみたいと思います。なお、塩はいわゆる精製したNaClではありませんが、市販の”瀬戸のほんじお”と言うのを使ってましたので、おっしゃるようにミネラル成分は大きく影響すると思われますので成功者の言うゲランドの塩を購入して試してみます。前後しますが、火入れを始めるときは、焼き床(6ⅽm厚)の下面を下層の火床の炎が直接当たるくらいに常時クヌギ薪を3-4本入れて燃やしています(3時間余で500℃ぐらいになりますが、薪が燃え切ると温度は450℃ぐらいまで下がります)。焼き床のドームの左端に500℃までドーム空間温度を計測できるバイメタル式の温度計が固定してありますので、焼き床の温度はドーム空間より高いだろうと想像しています、おっしゃるようにここにかなりの温度差がありピザ生地の底が焦げるのであろうと思いますので上のような温度で焼いてみたいと思います。今後とも宜しくご教示頂きます様お願い申し上げます。ロードランナー
ロードランナーさん、こんにちは。
イメージされている美味しいピザが焼けることを願っております。
もし良かったら、つくれぽにお写真投稿してください〜ヽ(^。^)ノ
コメントありがとうございます。
初めまして。
いつもブログをこっそり拝見していました。
私もピザ窯を作成しようと思っていましがた、知識も経験もないのでこのブログは大変参考になります。
格闘王さん、こんにちは。はじめまして。
こっそりブログを見て頂きありがとうございます。
僕も知識も経験もまったくないところからのスタートでしたので、ぜひピザ窯を作っちゃってください。
コメントありがとうございます〜完成の際にはつくれぽお待ちしておりますヽ(^。^)ノ
こんばんは。つくレポでお世話になったくまさんですm(._.)m今晩、サッコロッソを使用した生地作りをしました。が、分量通りにやって30分以上、一生懸命捏ねましたが手にくっつく、くっつく・・・スーパーカメリヤを少しずつ足しましたが、なかなか粘りがとれなくて(・・;)結局、そこそこの量のカメリヤ足しました(^_^;)そんなもんなんでしょうかね~?計りはアナログなんですが、余り精度が良くないのかなぁ・・・明日、焼いてみます。果たして・・・
くまさん、こんにちは。
そーのピザ生地を参考に生地を作ってくださり、ありがとうございます。焼き上がりはいかがでしたでしょうか?
細かい状況が分からないのですが、僕なりに想像して考えられることを書かせていただきますね。
この作り方を書いた時季と夏の今では、湿気の具合がかなり違うので、もともと粉に含んでいる水分量が多かったのかもしれません。一番最初は手にくっつきますが、しっかり捏ねて、手に付いた生地を払い落とすと、水分量がちょうどよければ5分位こねていると手にはつかなくなります。なので、最初の時点でそのくらいの具合に調整されると良いかと思います。
捏ねる時間に関しましては同様の質問をされた方もいます。一応そーは料理人の端くれなので、ピザ生地やパン生地などをこね慣れており、途中バンバン激しくパンチしたり台にガンガン打ち付けたりというくらい本気でこねて35分でした。ので、もうちょっとかかるかもしれません。
ご参考になれば幸いです。
コメントありあがとうございました。
お返事ありがとうございます。14、15日に焼きました。初めてにしては、出来が良い!と、判断したため窯作りに協力していただいた人達にもお裾分けしました(^_^;)ほぼ、全員から美味しかったよ~。と、お褒めの言葉を(まぁ、皆さんマズイとは言わないでしょうがf(^_^;))
生地作りはそういうもんなんですね~。分量よりも大分、強力粉を追加しましたが、湿気によっての粉に含んでいる水分が大きく影響してたのでしょうか?かなりの時間、捏ねても手がベタベタで・・
でも、なんだかんだで上手くいったので、良かったです( ̄▽ ̄)また、色んなやり方・ピザの種類、料理をやってみようと思います。ありがとうございましたm(__)m