かき氷といえば、やっぱり「氷」が大事です。
どんな氷を使うかで、かき氷の出来も違ってくるんだとか。
氷屋さんで買うことももちろんできますし、コンビニやスーパーでも板氷が売っているので、それを使えばいいんですけど、自分で透明な氷を作りたくなったので、あれこれ試行錯誤してかき氷用の透明な氷を自分で作りました〜!
レッドキングが良く見えるでしょ(≧∇≦)
能書きはいいから透明な氷の作り方だけ教えろやっ!という方はここからジャンプ!
目次
きれいで透明な氷ってどうやって作るの?
かき氷に使われている透明できれいな氷には、天然氷と呼ばれる自然の寒さで作られた氷と、氷屋さんが作る純氷とがあります。
天然氷ってどんな氷?
天然氷とは、山間にある製氷池と呼ばれる氷を作るための池に沢の水を引き込んで自然の寒さで作られる氷のことです。
天然氷は2週間から20日ほどかけて、ゆっくりゆっくり凍らせていきます。その間、中途半端に凍らないように水をかき混ぜたり、雪や落ち葉などを掃除したりとけっこうな手間暇がかかります。
ゆっくりゆっくり凍らせることで、不純物が入らない(一緒に凍らない)きれいで透明で硬い溶けにくい氷ができます。
参考:天然氷ができるまで | 南アルプス・八ヶ岳の天然氷屋|販売|蔵元八義(株式会社八義)
氷屋さんの純氷ってどんな氷
氷屋さんが作る純氷は、人工的にゆっくり凍らせて作る不純物の入らないきれいで透明で溶けにくい氷のことです。
氷屋さんでは-10℃くらいの温度で、水を対流させながらゆっくり凍らせます。(家庭の冷凍庫は-20℃くらい)
不純物のないところから水は凍っていくので、ある程度凍ったところで、不純物の含まれた水を捨て、新しい水を入れる、不純物のない部分が凍る、残りの水を捨てて、新しい水を入れるを繰り返して純度の高い(不純物の含まれていない)氷を作っています。
参考:氷屋の氷[氷屋ワールド]- 全国氷雪販売業生活衛生同業組合連合会
きれいで透明な氷は何がいいの?
天然氷や純氷の何がいいかっていうと、見た目がきれいなのはもちろんですが、硬くて溶けにくいことです。
ゆっくりと凍らせることで、不純物の少ない結晶の大きな氷、結晶密度の高い氷ができます。結晶の大きな氷は硬く、氷の結晶密度も高い氷は溶けにくいのです。(と氷屋さんが書いていました)
ちなみに、ここでいう不純物とは水(H2O)以外のものです。水に含まれる塩素・カルシウム・マグネシウム・その他のミネラル・窒素・空気などが不純物です。
不純物が大く含まれる家庭の冷凍庫で作った氷は、柔らかく溶けやすいのです。柔らかく溶けやすい氷で作ったかき氷は、薄く削ってもフワッとならずベチャッとなってしまいます。
かき氷用の透明な氷の作り方
かき氷用に透明な氷を作るべく、いろいろ試行錯誤した顛末はあとの方に書いていますが、最終的にはこの作り方で透明なきれいな氷ができました。
水は不純物の少ないところから凍っていきます。家庭の製氷機などではだんだん周りから凍っていくので、氷の真ん中あたりに不純物が溜まって、そこが白くなってしまいます。
なので、発泡スチロールやクーラーボックスを使って、上からしか冷気が当たらない状態を作ります。そうすることで、周り全体から凍らず、上から凍っていって不純物は下の方に追いやられます。
上からのみの冷気で凍っていくので、凍るのも自然とゆっくりになります。
その結果、上の方に透明な氷ができます。
100円ショップで買ってきた発泡スチロール。100円じゃなかったけど。
ここに同じく100円ショップで買ってきたタッパーを入れます。
発泡スチロールの縁が冷凍庫に入れるときにひっかかって邪魔だったので、カッターで切り落としました。
タッパーと発泡スチロールの隙間をプチプチを巻いて埋めます。
これを冷凍庫に入れて、
ここに水を注ぎます。水道水でも問題ないようですが、かき氷にして食べるので、ミネラルウォーターを入れました。まあ、ミネラルは不純物として取り除かれちゃうんですけどね。
このタッパーにはちょうど2リットルの水が入りました。
あとは待つだけです。
凍らせた氷を取り出して、下の方(ひっくり返して出すので上になるけど)の余計なところを削ります。
うちの小さな冷凍庫部分は、大きな冷凍庫(-20℃くらい)に比べると冷気が弱いみたいで計ってみると―15℃くらいでした。
凍らせる時間は冷凍庫の温度によって大きく違ってくると思います。ので、参考程度にしてください。まあ、ガッチガチに最後まで凍らせて、アイスピックや出刃包丁などで透明じゃない部分を削れば問題ないです。
15時間凍らせた氷
うちの冷凍庫では、15時間では短かったです。全体の1/3くらいしか凍っていませんでした。
ですが、しっかり透明な氷ができています。
24時間凍らせた氷
24時間凍らせた氷は全体の半分弱くらいまで凍っていました。これでも十分ですが、もうちょっと厚みが欲しいところです。
30時間凍らせた氷
30時間凍らせた氷は、やや不純物の入ったところも凍り始めていました。が、しっかりとかき氷に使えそうなくらい厚い氷ができました。
この厚さの氷でもしっかりレッドキングが見えています。
氷は、包丁の柄に近い部分で刺すようにコンコン線を入れると、意外ときれいに割れます。
そんなわけで、発泡スチロールやクーラーボックスなどを使って上から徐々に凍らせていくことで、透明な氷ができました。
ここにたどり着くまでいろいろやったので、、、ご興味のある方はご覧ください。。。
きれいで透明な氷を作るためにやった試行錯誤あれこれ
天然氷の作り方は真似できそうにもないので、氷屋さんの純氷の作り方をお手本に作ることにしました。
きれいで透明な氷を作るために試したことは、
- ▶不純物の少ない水で作る
- ▶ゆっくりと凍らせる
- ▶水を対流させることで、ゆっくりと凍らせ、表面を凍らせないようにし不純物を閉じ込めないようにする
- ▶途中で凍っていない水を捨てて、新しい水と替える
です。
不純物の少ない水で作る
不純物の少ない水で氷を作れば、それだけで透明で硬い氷ができるらしいので、水道水をそのまま、沸かした水道水、ミネラルウォーターでそれぞれ実験してみました。
水道水をただ注いで作った氷
ただ水道水をジョボジョボと注いで作った氷。
冷凍庫から出してすぐ写真撮っちゃったので、真っ白。ボッコリ膨らんじゃってます。
沸かした水道水を注いで作った氷
次に、沸かした水道水を注いで作った氷です。
ただ水道水を注いだときよりは、白いところが小さくなってボッコリもやや抑えめに。
ミネラルウォーターを使って作った氷
ミネラルウォーターも、なるべくミネラル(不純物)の少ない軟水を選んで作った。”南アルプスの天然水”とか、”森の水だより”とかがそのへんのスーパーで手に入って比較的ミネラルが少ない。(30mg/Lくらい)
ミネラルウォーターを使って作った氷。
沸かした水道水を使ったときより、更に白いところが小さくなってほとんどボッコリもしていない。
ゆっくりと凍らせる
家庭用の冷凍庫の温度は-20℃くらいです。これをなんとか-10℃くらいまで上げたい。
今回は冷蔵庫に付いている小さい冷凍庫を使って氷を作りました。最近の冷蔵庫には冷凍庫の温度調節機能もついているので、”弱”にする。
写真撮るのに開けっ放してるので-8℃になっていますが、これで-10℃〜-14℃くらいの環境が作れました、うちでは。
それと、これは「ゆっくり凍らせる」に入るのか「不純物の少ない水で作る」に入るのか分からないのですが、ミネラルウォーターも沸騰させて、熱いまま容器に注いでそのまま冷凍庫に入れました。
そうすることで白いところがより小さくなりました。
水を対流させる
「水を対流させる」は完全に透明な氷、家庭でも作れた 氷屋の製法を応用|くらし&ハウス|NIKKEI STYLEを参考にしました。
熱帯魚用のポンプを買ってやってみたのですが、
結果としてはものすんごい広い範囲に空気?が入ってしまいました。
ポンプの位置が悪かったのか、そもそものやり方が間違っているのか、、、これについては今後も検証してみます。
現段階でのかき氷用の透明で硬い氷を家庭で作る方法
これまでのことを踏まえまして、現段階(追記する前の段階)でのかき氷用の透明で硬い氷を家庭で作る方法です。
なるべく不純物といいますか、ミネラルの少ない軟水のミネラルウォーターを使って氷を作ります。
容器は100円ショップで買ったタッパーを使いました。
で、周りからの冷気をちょっとでも和らげるために、プチプチをタッパーの周りに巻く。
下から直接冷気が伝わらないようにするために、熱伝導の悪い保冷バッグを敷いて、更に割り箸でちょっとだけタッパーを持ち上げる。
ネットで調べている時に水道水を使うときは沸かして、カルキを抜いてから凍らせる、という記述をよく見かけたのですが、ミネラルウォーターで作るときも沸かして、熱いままの状態で冷凍庫に入れたほうが、きれいな氷の部分が多くなった気がします。
ので、ミネラルウォーターを一度沸かして、熱いままタッパーに注いで凍らせます。
タッパーに注いだのは1Lの水(というかお湯)。冷凍庫の温度は-10℃〜-14℃。
その状態で、20時間冷凍庫に入れておいたのがこれです。
この写真ではちょっと分かりにくいけど、凍っているところは透明で、まだ凍ってないところがちょっと残っている状態。
穴を開けて、中の凍っていない水を取り出します。
一度沸かしておいたミネラルウォーターを注いで、再び冷凍庫へ。
後から注いだミネラルウォーターが凍ったら完成。
氷屋さんの氷とまではいきませんが、白いところがかなり小さくなって、上の方はけっこうきれいな透明な氷になりました。
今の所、これが限界です。エアーポンプをうまく使えばもっときれいな氷ができるのかなー?
今後もちょいちょい氷を作りつつ、もっといい方法、コツがあったら書き換えていきたいと思います。