毎年、農家の友達からサツマイモをたくさんもらうのですが、たくさんもらい過ぎて食べきれないので干し芋にしているそーです。
いつもは「紅はるか(べにはるか)」という品種のサツマイモをもうのですが、今回は「玉豊(たまゆたか)」という名前のサツマイモをもらいました。
なんでも「干し芋」用のサツマイモなんだそう。
干し芋用のサツマイモなんてのがあるんだ!とはじめて知りました。知らんことっていっぱいあるね。
干し芋用のサツマイモをもらったので、毎年作る干し芋の作り方をサツマイモの本気を引き出すいくつかのコツなんかと一緒にまとめてみました。
目次
美味しい干し芋を作るコツ
- 美味しいサツマイモを使う
- サツマイモを追熟させる
- 低温で蒸す
- 両端と表面をがっつり落とす
- 天気予報をよく見て干す
美味しいサツマイモを使って干し芋を作る
これがコツか?と尋ねられれば疑問ですが、どんな料理でもそーなんですけど元が美味しくないとどんなに頑張っても美味しくならないのです。特に干し芋はそれなりに時間もかかるので、せっかく作るのなら美味しい干し芋になって欲しい。
美味しいさつまいもを作る農家さんから分けてもらう、直売所で美味しいサツマイモを作る農家さんを見つけておく^_^のが一番確実なんですけど、それが難しい場合は甘いサツマイモの品種を選ぶのがいいかと。
僕が毎年、干し芋を作っている「ベニハルカ」は最近では人気のある品種です。あとはもうちょっと奮発して「安納芋」なんかがスーパーなどで普通に手に入る甘いねっとり系のサツマイモです。
干し芋を作るのにむいているのは、ねっとり系のサツマイモです。
逆にホクホク系のサツマイモはあまり干し芋には向いていません。有名所のホクホク系といえば鳴門金時、あとはベニアズマもややホクホクよりです。ホクホク系でも干し芋にできないことはないのですが、干し芋にしてもねっとりの食感にはならず、ちょっと硬い感じになってしまいます。
サツマイモを追熟させる
サツマイモは収穫してすぐはあまり甘くありません。追熟させることで、サツマイモは甘くなります。
サツマイモは寒いのも暑いのも乾燥も苦手な意外とデリケートなやつです。13度から16度の湿度の高い場所で1ヶ月くらい置いておくことで、デンプンがショ糖などに変化して甘くなります。
サツマイモを、ちょっと食べてみて甘みが足りないようなら、新聞紙で一つづつくるんで、家の中で10度以下20度以上にならないところにしばらく置いておきましょう。うちの場合は玄関がちょうどいい貯蔵場所です。
ちなみに、サツマイモを専門で作っている農家では、貯蔵庫や井戸のように掘った地下貯蔵室などで甘くなるまで貯蔵してから出荷しています。
以前、サツマイモ農家の地下貯蔵室に入らせてもらった時の写真です。
この中は年間を通して15度くらいで、真夏の30度以上の日でしたが、中はひんやり。
下から外を見上げると、ほんとに井戸の中にいるみたい。
低温で蒸す、しっかり蒸す
前置きが長くなってしまいましたが、いよいよここから干し芋作りを始めます。
これが今回、干し芋にする玉豊(たまゆたか)です。白い皮(赤くない)のサツマイモです。
今回の芋は、農家の友達が追熟させたのをもらったので、さっそくそのまま蒸していきます。
この時、低温で蒸すと、さつまいもの甘味がより一層引き出されます。
低温といっても85度です。まあ強火で蒸す100度よりは低温です。
蒸し器に沸かしたお湯を注いで、(もちろん鍋で沸かしてもいいです)
洗ったサツマイモを並べて、
大きなサツマイモは縦に半分に切って、
蓋をして温度計を刺して、85度まで温度を上げます。最初は強火で鍋の中の温度を上げていきます。
80度近くになったら、火を弱くして85度で安定するくらいの火加減にします。鍋のサイズなどにもよりますが、僕の場合は極弱の火からほんのちょっこっっっっっとだけ強くした火加減です。
これが、結構難しいんですが、しばらく火加減を微調整していると安定してきます。
このまま、サツマイモのサイズにもよりますが60分〜90分蒸します。
竹串がスッとはいるようになったところから、さらに10分ほど蒸します。しっかり蒸すことで甘みをしっかりと引き出してあげます。
両端と表面をがっつり落とす
もったいない、と思ってしまいますが両端と革に近い表面のところは干し芋にした時に固くなってしまいます。
ので、がっつり両端を落として、
皮も包丁で大胆に削ぎます。
そうしたら、サツマイモの繊維に沿って、厚さ1cm以上を目安にスライスします。
あんまり薄いと、干した時に中のねっとりが感じられないので1cmくらいは厚さが欲しいところです。ぶ厚くカットしても大丈夫ですが、その分干すのに時間がかかります。
1cmの厚さで、天気にもよりますが4日くらい干します。
天気予報をよく見て干す
当り前すぎる話なのですが、特に蒸したその日はしっかり天日に当てて表面を乾かさないと、カビが生えてしまいます。
できれば3,4日晴れの日が続く予報を見てサツマイモを蒸したい。
雨に当たるとすぐかびちゃうので、雲行きが怪しいときは部屋の中で、扇風機にでも当てておいたほうが良いです。
干すのにはこんな感じの干網があると便利です。ホームセンターで売っています。
並べて干していきます。干してすぐの状態。
初日は、午前中に蒸したので午後から干して半日干した状態。
夜は夜露に当たるとカビるので、部屋の中に取り込みます。
次の日、丸一日干した状態。
もう一日、干した状態。
ここで表裏をひっくり返します。
3日と半日干した状態。
最後の日は、半日ほど干して、合計で4日間干しました。
サツマイモの厚さや天気、干し加減の好みにもよりますが、僕はこのくらいでおしまいにします。
外に干しているので、ちょっと砂埃がついていることもあるので、仕上げに刷毛で干し芋の表面をササッと掃除して、
ジップロック的なものに入れてしまいます。
しっかり干した干し芋は、常温で保存しても大丈夫ですが、4日くらいの干し加減だと心配なので冷蔵庫で保存しています。
干し芋の完成です!
冷蔵庫保存だと、そのまま食べるにはちょっと硬いので、トースターでちょっと温めて食べます。
ちょっとじゃなくて焼き色が付くくらいまでしっかり炙ったのも好きです。
干し芋なんだけど、ちょっと焼き芋みたいな香ばしさもあって、またちょっと違った美味しさになります。
自分で干し芋を作るようになる前は、スーパーで売っているやすい干し芋しか食べたことがなかったので、あんまり好きじゃなかったのですが、自分で作るようになってから、干し芋って美味しいんだなーと、毎年ちょっと楽しみにしています。
玉豊ってどんな干し芋になるのか食べてみたーい!という方はこちらがかなり評判がいいです。