”買ってきたチョコ溶かして固めるのは、、、手作りじゃ、、、ないよね?”という発言以来、バレンタインチョコがもらえなくなったそーです。もう20年近く前のはなし。
そんなバレンタインが今年も終わったころ、友達からコートジボワール産のカカオ豆をもらった。
コートジボワールは西アフリカにある国で、チョコレートで有名というか商品名にもなっているガーナのお隣の国です。
カカオ豆からチョコレートを作ったことない。ってゆーかカカオ豆自体を見るのも初めて。
どうやって作るんだろ?と思ってネットで調べてみると、カカオ豆からチョコレートを作ってみたという変人先人が結構いたので、参考にしながらチョコレート作りをしてみました。
目次
先人の手作りチョコから学ぶ
もらったカカオ豆がコレ。
とにかくキョーレツな香り。部屋中がカカオ豆の濃い香りになるくらい強烈。
カカオビーンズ。
むいちゃいました。
中はブラックなチョコレート色。かじるとポリポリした食感で、知っているといえば知っているような、、、普段食べているチョコレートの奥の方にあるような風味がするよな、、、、あーーーー苦い。
カカオ豆からチョコレートを手づくりした先人達のやってみた感想まとめ。
▶とにかく大変、時間が掛かる
▶いくらすり潰しても滑らかにならない
▶腕が限界
▶こんだけ大変な思いして作ったのに、ザラッとした舌触り
▶二度とやるかボケェ!
こんな感じ。
チョコレート作りの工程にコンチング(精錬)ってのがあるんです。
ピッチングマシンみたいにふたつの円形のものをグルグル回してチョコレートをすり潰して滑らかにする機械で、30時間すり潰すと滑らかになるんだそう。高級なチョコは70時間とかその機械でスリスリするんだとか。
コレを人間がすり鉢でゴリゴリ1時間やろうが、2時間やろうが大差ないとおもうので、滑らかさはそれほど追い求めず、それなりにゴリゴリやるくらいの感じで作ろうかと。
カカオ豆からチョコレートを作るためのチョコレート用語
”カカオ”と”ココア”は同じ言葉。発音の問題?
でも、僕はココアはココアで、茶色い粉を伸ばして飲むアレのことだと思っているので、基本的に”カカオ”と書きます。
【カカオ豆】
カカオポッド カカオの実です。
カカオ豆(カカオビーンズ) カカオポッドから取り出したカカオの種
カカオニブ カカオ豆をローストして、皮を剥いて砕いた状態のもの
カカオマス カカオニブを細かくすり潰した状態のもの
カカオバター カカオマスから絞りとった油脂
ココアパウダー カカオバターを絞りとったカカオマスを乾燥させて細かくしたもの
【工程】
コンチング(精錬) 30時間〜72時間ほどチョコレートの粒子を滑らかにする作業、チョコレートの風味も増すらしい
テンパリング(調温) チョコレートの温度を調節することで安定した結晶にする作業
ちなみにカカオマスからカカオバターを取り出す技術はヴァン・ホーテンさんが、コンチングの機械、方法を発見したのはロドルフ・リンツさん。
リンツ リンドール アソート チョコレート 600グラム ダーク,ミルク,ホワイトの4種類アソート Lindt LINDOR...
カカオの含有率のこと
最近良く目にするカカオ○○%というチョコレートは、そのまんまですが、カカオがどれくらい入っているかという%で表しています。
なので、
カカオ豆70g + 砂糖30g ⇒ カカオ70%
カカオ豆35g + 市販のカカオバター35g + 砂糖30g ⇒ カカオ70%
市販のカカオマス35g + 市販のカカオバター35g + 砂糖30g ⇒ カカオ70%
ってことになります。
カカオ豆と砂糖でチョコレートを作る
まずはもらったカカオ豆と砂糖だけでチョコレートを作ろうかと思います。
カカオ豆をローストします。天板にクックングシートを敷いて、カカオ豆をのっけて
130℃ノオーブンで約40分。
120℃くらいで20分と書いている人が多かったのですが、うちのオーブンはちょっと弱い感じだったので、温度も時間もちょいとあげて、アーモンドのような香りがして、皮がむきやすくなるまでローストしました。
ロースト終了。
皮はこんな感じにポロッとむけるものもあれば、
めっちゃ剥きづらいものも。
で、むいたカカオの胚芽?取り除くみたいなのでとります。
この真ん中のやつ。
取るとこんな形。
全部むいて、胚芽を取ったら計ります。
113g。
今回はカカオ分75%のチョコレートにしようと思っているので、113gのカカオ豆に砂糖を37g入れます。
砂糖は少しでも混ざり易いように純粉糖を使いました。
純粉糖は100%グラニュー糖の粉糖です。普通に一般的に売られている粉糖は湿気を防ぐために少量のコーンスターチが入っているものが多いです。
さっそく、カカオ豆を潰していきます。今回使ったのはコレ。
ミルサー。チョコ作りの先人達もフードプロセッサーだと厳しいと書いていたので、小さいけれどより力強いミルサーでまずはすり潰しました。
そこそこの量を入れて、ちょっと回すと
こんな感じにパウダー状に。
ブンブン振りながら(くっついちゃうので)更に回すと
こんな感じにカカオの脂分がじっとり出てきます。
コレをすり鉢へ。
すり鉢で、ゴリゴリゴリゴリゴリ、、、30分位ゴリゴリした所で、
粉糖を投入。
少しづつ加えながら、ゴリゴリしていったら、
こんな感じにボソボソになったので、このまま湯煎にかけることに。
温度計を入れて45℃位までを目安にゴリゴリ。
なんとなく全体がとろっとまとまった感じになったので、テンパリング。
45℃。
27℃。
30℃。
そんで、このチョコ作りのために買ったモールド(型)。
にスプーンで入れて、
ドンドンと何回も落として、スミまでちゃんと入れました。
冷蔵庫に。
残りはクッキングシートに流して、同じく冷蔵庫に。
カカオ豆+砂糖のチョコレート完成!
カカオ豆+カカオバター+砂糖でチョコレートを作る
で、今度はもらったカカオ豆にカカオバター(市販品)を足してチョコレートを作ってみようかと。
これも、カカオ分は75%に。
カカオバター。
カカオ豆とカカオバターを半々にして、それに対して25%になるように粉糖を入れます。
ローストして皮むいて胚芽をとったカカオ豆。
カカオ豆と同量のカカオバター。
粉糖。
カカオ豆をミルサーでギュイーーーんをすり潰して、
すり鉢でゴリゴリ。
カカオバターは包丁で細かくして、
すり潰したすり鉢に投入。
おりゃ~とすり潰そうと思ったけど、カカオバターは30℃くらいで溶けるので、そのまま湯煎に
カカオバターが溶けた所で粉糖も入れます。
30℃位ではザラッとした感じ。
45℃になると滑らかな感じに。
テンパリングして、型に流す。
型に流すのは同じ温度だけれど、カカオ豆だけの時と比べるとかなり柔らかくて流れる感じでした。
冷蔵庫へ。完成!
カカオマス+カカオバター+砂糖でチョコレートを作る
最後はもらったカカオ豆を使わずに、市販のカカオマスと市販のカカオバターと砂糖でチョコを作ります。
市販のカカオマスはこれ。
中身はこんな感じです。
食べると、、、うっひょ〜〜〜〜にがっ!もらったカカオ豆をゴリゴリしたやつより苦味が強かった。
今回もカカオ分は75%に。
カカオバターは包丁で刻んで、
カカオマスと一緒にボールに入れて湯煎に。
なめらかになった所で粉糖を加えて
しっかり粉糖が馴染むまで混ぜ合わせたらテンパリングして型へ。
完成!はやっ!ゴリゴリがないと、なんて楽ちんなんだ。
手作りチョコレートを食べてみた感想
今回作った3種のチョコレート。
左がカカオ豆だけ、真ん中がカカオ豆と市販カカオバター、右が市販カカオマスと市販カカオバター。砂糖省略。
見た目的には真ん中のやつがちょっと明るい色になりました。ま、カカオ豆のロースト具合とか適当だったから、そーゆー影響もあるかもしれない。
【カカオ豆のみ】
もう、口元に持ってきただけでカカオの香りが相変わらず凄い。口の中で溶かすとザラザラした感じは否めないけれど、これはこれで食べ慣れてくるとワイルドな感じがしてなかなか悪くないと思う。ザラザラ感よりもカカオ感の方が強烈な印象。チョコを食べてるというよりカカオを食べてるという感じ(まあカカオ初めて食べるんだけど)。
【カカオ豆+市販カカオバター】
カカオ豆だけのものより、柔らかくザラザラ感も少ない。カカオ豆の風味もそれほど強烈じゃないので、同じパーセントの砂糖でもこっちの方がかなり甘く感じる。カカオ豆だけのものと比べるとということだけれど、市販のチョコレートにやや近い感じで食べやすい。
【市販カカオマス+市販カカオバター】
当たり前だけど、もらったカカオ豆を使ってないので、香りがぜんぜん違う。砂糖がうまく馴染んでいないのか、ちょっとザラッとした感じはあるものの、上のふたつと比べるとかなり滑らか。完全に知っているビターチョコの味。
【”食べてみた感想”追記】
できたてのチョコレートを食べた時は、正直どれが”美味しい”かという点から見ると、残念なことに一番の手のかかっていない市販カカオマス+市販カカオバターを溶かしただけのチョコレートでした。
が、作ってから一週間くらい経つと、全体がまとまって、カカオ豆自体の風味も落ち着いてきたからか、断トツにカカオ豆+市販カカオバターが”美味しい”になりました。
カカオの風味がしっかりして、それでいて強すぎず、おいしいチョコレートになりました。これを食べてから、市販カカオマス+市販カカオバターを食べると平坦な感じが否めない。。。
同じカカオ含有量でも、全然風味も変わってくるのですねー。
カカオ豆からチョコレートを作った感想
カカオ豆をもらったのでカカオ豆からチョコレートを作ってみることに。
なかなか大変だったけど、面白かった!
思ってたより、うまくできたと言うか、カカオ豆だけのチョコもものすんごい風味でチョコの原形を食べたって感じで良かった。
初めてカカオ豆を見て触って食べて、適当に作ってみただけだけど、チョコレートってこーやって出来るんだなーと言うのが、なんとなく頭に入ったような。。。
またやりたいか?と聞かれると、、、、コンチェ(コンチングの機械)を使ってなら、またやりたいっ!
すり鉢でゴリゴリはもうコリゴリ。
【カカオ豆】
【純粉糖】
【カカオバター】
【カカオマス】
【モールド】