錫継ぎ1

割れちゃた器をくっつけて金で装飾する、金継ぎ(きんつぎ)金繕い(きんつくろい)を、いつかはやってみたい、と思い続けてもう何年経ったか分からなくなったそーです。

割れちゃったり、かけちゃったりしたお気に入りの器(うつわ)を”いつか金継ぎしたろう”と引っ越しの度に持って回って、いよいよ重い腰を上げて金継ぎの本を買ったのが2年前。。。

だって、金継ぎの本を見たら、道具や材料も色々いるみたいだし、やっぱり大変そうだったから。

でも、思い切ってやってみたら、意外と、、、、ちゃんと大変っていうか、上手くいかないこともありました。

金継ぎ始めたいんだけど、どんな道具がいるの?全部揃えないと駄目なの?どのくらい時間掛かるの?やっぱり難しいの?など、僕が金継ぎを始める時に思った疑問や、やってみて分かったことなどをまとめてみました。

金継ぎってどうやるのが一番いいの?

金継ぎは漆を使って、割れた器、かけた器、ヒビの入った器を修繕して、その上に更に漆を塗って金粉をまいて化粧をするというものです。

金継ぎをしようと思って、数冊の金継ぎの本を読み、ネットでもたくさんの金継ぎ情報を集めてみて思ったのは、”みんな金継ぎのやり方がバラバラ”ということです。

まず、そこで戸惑いました。どのやり方をチョイスすればいいのかわからない。。。

一回金継ぎをやってみた自分的な結論としては、”どれでもいい”

答えになっとらんやんけ!と言われても仕方ないのですが、結局のところ、自分がどの人の方法を選択するかは、自分で金継ぎをやってみて、こっちの方がやりやすい、好き、頑丈とかの理由でシフトしていくもんなんじゃないかと。

僕は最初は一番面倒くさそうな(工程が多い)金継ぎの方法を選んで始めたのですが、やってみて、これはやらなくてもいいかなーとか、こっちのほうがやりやすそうだなーとか、ちょっとずつ”自分はこうやってやることにしよー”ができてきました。一回しかやってないくせに^_^

それとは別に、僕が選択しなかった金継ぎがあります。それは、接着剤やエポキシパテを使った金継ぎです。

割れやかけを修繕するのに接着剤やエポキシパテを使って、その上から漆でコーティングして金をまく、という金継ぎのやり方があります。

接着剤や、パテを使うので乾くのが早く、時間的にはかなり短縮になります。が、やはり接着剤やパテには必ず”食用の器の接着補修には使わないで”というようなことが書いてあります。

僕も楽しようと、食器に使える接着剤とかないかなーといろいろ探してみたのですが、現時点ではそういった接着剤、パテは存在しないみたいです。

食器の接着、補修に使えて、安全なのは漆だけなのです。



金継ぎに掛かる時間はどのくらい?

この”金継ぎにかかる時間問題”は、これから金継ぎを始める人にとって大きく立ちはだかる由々しき問題です。

時間がかかるのは漆を乾かす時間です。

補修する器の割れ具合、欠け具合によっても乾く時間は変わってきます。特に一番最初の、割れたものをくっつける、欠けた部分を埋めるという作業をしたあとは、乾かすのに時間がかかります。

割れた器をくっつける、は状態にもよると思いますが、3週間から1ヶ月乾かします。
欠けた部分を漆で埋める、は小さい部分で3日、ちょっと大きめの部分で5日くらい。

更に、呂色漆を塗って1〜3日、もう一回、呂色漆を塗ってから1〜3日、更に朱合漆を塗って、金をまいてから、3〜4日

バラバラに割れているものなどは、隙間に錆漆を入れたりする工程が入るので、それを乾かすのに一週間くらい掛かったりもします。

早く成果を見たい、早く完成させたい、という気持ちが満々の僕は、この時間がかかると言うのが、金継ぎに取り掛かれない一番の理由でした。

金継ぎは確かに時間は掛ります。でも、それは漆を乾かす時間であって、作業をする時間ではありません。
ちょっとした欠けを直すくらいの金継ぎなら、一回の作業時間は、30分も掛かりません。作業の工程によっては10分位で終わっちゃうことも。

なので、金継ぎを一回やってみて”金継ぎは時間がかかる”の感覚が変わりました

金継ぎのやり方、金継ぎの方法が載っている本

金継ぎを始めるにあたって、3冊の本を買いました。

一冊は、金継ぎの素敵な作品が沢山載っている本で、もちろん金継ぎのやり方も載っているのですが、ほんの一部でした。

もう一冊は、僕が選択しなかった金継ぎの本で、接着剤、エポキシパテを使って金継ぎする本。

そして最後の一冊は、本漆を使った金継ぎのやり方に特化した本。色んなパターンの金継ぎのやり方、方法が写真と分かりやすいシンプルな説明で解説されている本。
これ、おすすめです。

金継ぎの道具とか材料とか

金継ぎを始めるには、ある程度の道具と、材料が必要です。

金継ぎの本を見ると、結構な数の材料と、道具がズラッと並んでいて、これも金継ぎを始めるのに尻込みさせるもう1つの大きな理由ですね。

【追記】ここで紹介している材料や道具は、僕が金継ぎを始める時にバラバラに買い揃えたものです。もちろんバラバラに買ってもいいのですが、今なら「つぐキット」を断然、間違いなく、声を大にしておすすめします。

 僕も実際に使ってみた「つぐキット」の紹介記事はこちらです。

自分で継ぐ!金継ぎセット「つぐキット」の中身とその他に必要なもの

僕が買った金継ぎの材料

生漆 きうるし


生漆 40g

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呂白漆 ろいろうるし(黒漆)


黒呂色漆 40g

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朱合漆 しゅあいうるし(弁柄漆、絵漆)


上朱合漆 40g

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砥の粉 とのこ


砥粉 400g

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錫粉 すずふん


漆は小さいサイズのもので十分です。僕はそれぞれの漆を40gの物を買ったのですが、絶対に使いきれません。

漆はそれぞれ10gもあれば十分です。漆は生なので、漆屋さん曰くなるべく早く使うこと、使用期限は半年、、、なんだって。。。_| ̄|○

錫粉。錫(すず)の細かい粉です。僕が買ったのは金粉じゃなくて錫粉。

金継ぎの材料の中で何が一番高いかって、金粉です。なにせ金の粉なんですから。最初から金粉を使ってもいいんですけど、練習のうちは、銀とか錫でもいいんじゃないかと。

銀も錫よりは値段がしますが、金と比べたら、格段に安いです。僕はいろんな銀継ぎ、錫継ぎの写真を見て、錫のほうが好みの質感だったので、錫を選びました。

え?じゃ、金継ぎじゃないじゃん!錫継ぎじゃん!

ええ、、、錫継ぎですが、なにか?

その後、金粉も買いました。これです。

純金消粉 赤 0.3g

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僕が買った金継ぎの道具

道具ってのは大事です。料理でも、木工でもピザ窯作りでも、必要な道具があるとないとでは、作業時間も出来上がりも大きく違ってきます。

とは言っても、金継ぎに必要な道具はそれほどでもありませんでした。

手袋


漆はかぶれるので必ず手袋は必要。作業がしやすいラテックスの使い捨て手袋を買った。意外と他のことにも使えて便利。


何本か買ってみたんだけど、結局使ったのはホームセンターで買った極細の面相筆と呼ばれるものだけ。

真綿


真綿って、木綿のワタのことじゃないのね。蚕(かいこ)が作った繭(まゆ)のことなんだって。

真綿 絹100% 8g

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ヘラ


金継ぎの本に載ってる白いプラスチックのヘラも買ったけど、使ったのは100円ショプで買った粘土用のヘラ

スポイト


100円ショップ。8本入り。そんなにいらんけど。

ガラス板


ガラス板ってどこで売ってるの?あ、いいのがあった。と見つけたのは、100円ショップで売ってた写真立てのガラス板。を外しました。

ガラスの入れ物


水とか油を入れる硝子の器、100円ショップで購入。

耐水ペーパー


#600と#1000の耐水の紙やすり。一枚、何十円。

カッター

写真がないけど、家にあるカッターを使った。剃刀の刃を使ってやる人もいるみたいだけど。

実は、他にも金を撒く筒とか、金粉を集めるための筆とかも買ったんだけど、今のところ出番がありませぬ。

金継ぎに必要なその他のモノ

無水エタノール


油で洗った筆の油を落とすのに使う。近所のドラッグストアで購入。

テレピン油がよく金継ぎの本に載っているけど、サラダ油とかオリーブオイルでいい。筆を洗ったり、ガラス板に残った漆を拭き取ったりする。

砥の粉や小麦粉を練ったりする。

金継ぎは室(むろ)と言われる湿気の多い保管庫に入れて、埃を避けて、漆を乾かす。プラスチックの箱やダンボールで代用。僕は発泡スチロールを使った。

金継ぎの材料は、そのへんには売ってないのでネットで購入。道具類は、ほぼほぼ100円ショップで揃いました。

そーの人生初の金継ぎの記録はこちらから

「つぐキット」を実際に使ってみて紹介しています。

自分で継ぐ!「つぐキット」で金継ぎしてみた感想と口コミ